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人間、死にそうな目に会うのはそう難しい事でもないらしい。

 のっけから何書いてんだと思われるでしょうが、このひと月ほど生死の狭間を彷徨ってたりしてました。
 いやあ、ウイルス怖いですねウイルス。
 インフルエンザとノロウイルスのダブル……点滴打ちすぎで、腕中痛いし、お尻は血まみれになるし、喉鼻痛いし。
 熱は常に38度超えてるので、気にならなくなります。

 それから復帰して、PCを組みなおしてVISTA入れたら、環境が悪いのかシャットダウン中に落っこちる現象が出て悩む。
 原因はSPYBOT サーチ&デストロイの新バージョンの更新アップデートが途中で固まってたせいっぽいんですが……。
 結局クリーンインストールして、色々とばっさり消えたり……OTL


 こないだから動画作りにチャレンジで、ニコ動の幻想入りとかやりかけた所でこけてたので、新PCで環境作ってやってみようと思ったら、YUUKI NOVELが微妙にエラーが出てしまう。
 最初のエラーは無視していいようですが、タイマーの何かの条件で除算0エラーが出て落ちる……OTL

 なんか考えないとなあ。
by katuragi_k | 2008-03-30 19:09 | 雑談

1話

 数時間前、私を急き立てたあの思い、あれは虫の知らせと言うものだったのでしょうか?
 ふと見かけた、あるニュース番組の中でのこと。
 それは、ほんの数秒間のテロップ。
 画面の端に流れたのは、見覚えのある土地の名前と震度3の文字。
 普段なら、気に掛ける程の事も無いそれに、無性に心がざわめきました。
 なぜか、祖父の家が酷く気にかかるのです。
 家の主こそ数年前に亡くなっていますが、私が用事で良く顔を出していますので、特に痛んだ場所も無く、震度3くらいでどうにかなる筈も無いのですが。
 その時は、もうどうしようもなく、駆り立てられるように、祖父の家に向かわずには、居られませんでした。
 私は忙しなく出かける準備をし、車のキーを取ろうとして「今から行くとなると、着くのは夜中になりますね……」と、あの辺りの明かりの無い夜を思い出し、いまだに付きまとう暗闇への恐怖が、知らず拳を作っていました。
 流石にそんな状態では、車の運転も怖く、タクシーで向かうことにし、予約した場所に出かけました。
 そして、二時間ほど車で私が現地に到着したとき、見たものは想像を超えていたのでした。


 刷り込まれて幻想入り。
 
      1話

「これは、何であの森が!!」

 祖父の家の近く、里山のあった山と入れ替わるように広がる黒い森。
 私が目をこすり、何度見直そうとも、あざ笑うように確かに存在するそれは、私が過去、祖父の言いつけを破り、迷い込んだあの闇の森。
 突如として森の中に居たあの時とは違い、祖父の家の近くから見渡す形で見ても、その引き込まれるような、何かが潜んでいるような、闇への恐怖が呼び起こされる……その独特の気配は、紛れも無くあの森に違いない。

「しかし、迷い込んだわけでもないのに……まさかとは思いますが、あちらからの進入ですか!?」

 もしそうだとすれば、もうそれは神隠しなどではなく、表に現れる危機であり、とんでもない騒ぎになる。
 私は、いつの間にか森の中に取り込まれているのではないかと不安になり、振り返って祖父の家を確かめるように見た。
 しかし、確かに祖父の家がある事が、逆に現実と悪夢の境を失ってしまったような思いを、私に突きつけた。

「とにかく、連絡するべきか……」

 私は、心霊屋の互助会のような組織の取り纏めをしている男に、この様子を報告しておこうと携帯を取り出し、短縮を呼び出す。
 コールが鳴るも、相手先は留守番サービス。

「外泉です……今、○○に来ています。
 過去に門があったという場所です。
 そこに昔、私が見たあちらの森が現れています。
 これを聞いたら、事態の確認をお願いします。

 それから……、      」

 メッセージを入れ、携帯を畳んでポケットに戻した。
 そうして、ふと今が何時くらいだったかと気になり、そういえば携帯電話を戻す時に時計を見なかった事に気がついた……電話をかける時には見たはずの、”液晶の表示”が今は見えなかった。
 背中にゾクリと冷たいものが走り、足と手が震えた。
 空を見上げる。
 田舎の住んだ空気に星が多く瞬いていたはずなのに……。

「星が見えない」

 月も陰っている。
 私はともすれば走り出しそうになる体を押しとどめ、耳を澄ました。
 虫の声が無い。
 煩いくらいの牛蛙の鳴き声も無い。
 ただ、じゃり、じゃりと、舗装されていない砂道を、誰かが歩いている音だけが聞こえた。
 私の脳裏にあのときのことが再生されていく。
 そして、今と混ざり合って行き……過去と現在、同じ”声”が再生された。

「ねえ、あなたは取って食べても良い人間?」

 私は返事をせず、己の裡にあるモノに呼びかけた。

「白丸、黒丸」

 現れる蛇たち、そして蛇たちの感覚で見る彼女は、あの時と変わらずに無邪気な微笑みをしていたが、蛇たちの事を見て少し不機嫌な顔になった。

「なんだか、嫌な事を思い出したわ。
 むかし、目を怪我したの。
 涙は止まらないし、なかなか直らないし。
 」

 まじまじと蛇を睨む彼女、あの人は確か、彼女の事をルーミアと呼びましたか。
 なぜか、彼女からは過去よりも恐怖を感じない。
 しかし、それは単に私が落ちついているとか、強くなったと言うよりは言うよりは、鈍く麻痺していると言ったほうがよく、彼女も蛇たちを警戒しているだけで、危険度が下がったわけではない。
 油断すれば、ひょいとばかりに喰われる事になるでしょう。

「当たり前です。
 人間、誰しも食べられたくはありません。
 食べられそうになれば、人間は必死にもなりますよ。
 ちなみに私も食べられたくありません。
 抵抗させて貰います」



「そうなのよねー。
 最近、変な人間が増えて……たまんないわ」
by katuragi_k | 2008-03-17 15:08 | SSもどき

発端A 事務所にて

前書き:
 はじめましての方ははじめまして。
 ZERO見てくれた方はお懐かしゅうございました。
 とりあえず、ZEROあげて2時間、モジモジしながら見てたら、続ける事を許してやろうとコメントを一つ頂いたので、早速……モソモソ書き始めたの3/12の5:53頃。
 
 皆さんの今ごらんになられてる時間がどれくらいか、少し楽しみです。
 
 さて、ご注意です。
 このお話は、東方キャラクターのイメージを損ねるかもしれません。
 あるいは、お好きなキャラクターの扱いにお怒りになられるかもしれません。
 
 基本的に、ボコラレルのは主人公側ですが、突発的にキャラクターが中二的発作を起こす場合があります。(るみゃに勝てないからと目玉ねらって泣かすとか)
 
 皆様のお怒りは真摯に受け止めますので、遠慮なさらずに叩きつけてください。
 
 それでは、
 
 刷り込まれて幻想入り
 
 1話 時が来た。
 
 はじまります。

冒頭:事務所
by katuragi_k | 2008-03-12 07:33 | SSもどき

刷り込み A

 あれは、まだ祖父が健在な時分だから……もう十年も前のこと。
 父の実家に家族で訪れて居た時の事だった。
 祖父の家の周りには、人の手で整えられつつも、自然と共存するルールに拠って調和の取られた里山の自然が広がっていた。
 私は町では見る事のできなくなった、そんな風景に子供ながらはしゃいでいた。
 街では見られない数の虫や鳥たち。
 裏の池で祖父にカエル釣をさせて貰った事などは、今でもハッキリと覚えている。
 そんな私を祖父は微笑ましげに見つめながらも、折につけ山の中には入ってはいけないと何度も繰り返していた。
 その時の祖父の顔は、ただ心配だとか危険だからというだけではなく、何か厳然とした決まりを告げる家長としての顔をしていた。
 真摯に、決然とした祖父の顔は子供心に怖かった。
 また、父も子供の頃に同じような事を言われていたそうで、何か云われでもあるのかと祖父に問いかけていた。
 当時の私には何のことか判らなかったが、ボソリと漏れ聞こえてきた『神隠し』という言葉に何か恐ろしげな響きを感じていたのは覚えている。
 しかし、そんな祖父の言葉も、二日、三日と立つうち、辺りを回りきってしまった私の好奇心を抑えることはできなかった。
 家の周りに物足りなさを感じた私は、少しだけだからと罪悪感を誤魔化しつつ、未知の探検への興奮を胸に、コッソリと山に踏み込んでいた。
 そして、浅く翳る木立の中、落ちている枝を拾い、杖代わりにして、急な斜面を登ったり降りたり、時間を忘れて遊び回っていた。
 そんな事をしているうち、ふと辺りの異常に気がついた。
 いつの間にか私が歩いていたのは、家族で訪れていた、祖父の家の周りにある里山の木立とはまったく違う、暗い暗い深い森の中だった。
 鬱蒼と茂る下生えは誰も足を踏み入れた事など無いとでも言わんばかりで、木々の陰は恐ろしく高くそびえ、その葉のざわめきや風の音には、それ以外の何者かの息遣いが混じっているように思えた。
 いざ道に迷ったとしても、明るい方に下れば大丈夫だと思っていた私には、その風景は何か恐ろしい夢を見ているような思いだった。
 呆然と頬を抓ってみたところで、その風景が消えることも、はっと布団の中で目が覚める事もなかった。
 しかし、まだその時の私は、(どうなる、どうすればいい?) ということよりも、(祖父との約束を破ってしまった、早く家に帰らないと叱られる) そんなコトを頭に浮かべていた。
 私は焦りと後悔にまみれながら、めくらめっぽうに歩き回った。
 そのうちに疲れ、木の根に座り込んだ私がポケットを探ると、そこには幾つかの飴玉。
 たまたま持っていたそれを口に含みつつ、べそをかきながら父と母を呼び、ごめんなさいと繰り返す。
 当時の私に出来ることといえばそれくらいだった。
 その後は、恐らく泣き疲れて眠ってしまっていたのだと思う……詳しく覚えていない。
 しばらくして、眠っていた私を目覚めさせたのは、真っ暗な闇を伴った、

「あなたは食べてもいい人間?」

 という問いかけだった。

 その問いかけの無邪気な声の調子と、誰かに出会えた嬉しさから、私は体を起こし「君は誰?」と声をかけようとして、その問いの意味に気づいた。

『あなたは食べてもいい人間?』
 
 食べる? 何を? 人間? 僕? 空回りを続ける思考の中で、かろうじてそれだけを拾い上げた。
 そして、逃げなければと体に命じ「いやだ!!」と叫びながら、疲れきっていた足を無理矢理に動かした。
 しかし闇は深く、見えない木の根に足を取られ、木の幹に当たり、前に進むことは困難だった。
 背後からは、さく、さく、と下生えを踏みしめる足音が近づいてくる。
 私は何度も転びながら、必死に走り続けた。
 どれ程の時間だったか。
、気が付くと、辺りには暗くとも先程のような闇ではない、森の姿が戻っていた。
 安心して腰が砕けた私をそっと支える手。
 見上げると、洋服を着た、私より少し年上に見える金髪の女の子が、とても無邪気に微笑んでいた。
 私は、こんなところに居る女の子の異常さを感じつつも、先程の恐怖と心細さに負けてその女の子に縋り付いていた。
 そして、その女の子がクスリと微笑むのを見て、私もほっと顔を緩めかけた所で、彼女が言葉を放った。

「捕まえたから、もう食べてもいい?」

 さっきの闇の中の声だった。
 
 私は夢中で彼女を突き飛ばしたが、彼女の体は小柄なくせにぴくりともせず、私の手を掴んでいる華奢な手は私の手と金輪で繋がれたように離れなかった。
 そんな私の必死の行動の一部始終を、彼女はとても微笑ましそうに眺めていた。
 目に浮かんでいる光は、何かとても素敵なことが始まるような、こんな状況でなかったら、私も一緒になって喜んであげたくなるような期待に満ち溢れた物だった。
 実際、彼女にしてみれば、私はとても素敵な晩御飯だったのかもしれない。
 そんな彼女の手が、そっと私の首に回されたとき、もう私にはなにをすることもできず、ただぶるぶるがたがたと身を震わせて声にならない泣き声をあげるだけだった。
 そして、彼女の手に微かに力が篭った時、唐突に世界の色が塗り替えられた。

「あら、随分とツマラナイモノを見つけてしまったわ」

 それは気だるげな声。
 しかし、ただ一つ声だけによって、私を飲み込もうとしていた闇は消し飛ばされ、世界は一つの色に塗り替えられていた。
 高貴であり、狂気である色に。

「あ、あ」

 私は声にならない声で、まるで宙から湧いて出たような唐突さで現れた、その声の主に助けを求めようとした。
 だが、つと顔を上げて宙に開いた異界の裂け目に、軽く腰を預けた存在の、その姿を目にした瞬間、それがどうしようもなく絶望的に無駄な事だと悟ってしまった。
 まるで女王のごとき絶対者の力と自負を微かに紛れ込ませた、私と私を喰らおうとしている彼女を同じように見下ろす高みに在るのだと知らしめるようなその視線。
 おそらく、先の声が評したように、私の存在はとても「ツマラナイモノ」なのだろうと。
 それを悟ってか、絶望のあまり気が触れたのか、私はそのとき妙に平静な心持になっていた。
 今になって思えば、あの存在に心が凍りつかされていたのかもしれない。
 そうなって、私は自分の体に微かな震えを感じることに気がついた。
 その震えは私の体の物ではなかった。
 それは私の体を捉えている彼女の震えだった。
 力持つ者への恐怖か、食事を邪魔されたことへの怒りか、または、その存在を無視し得ない己の無力への憤りか。
 それはとりもなおさず、彼女が絶対的な死という存在ではなく、無視し得ない上位者の存在する、ただ私とかけ離れた力を持っているだけの一存在だということの表れでもあった。
 つまり、天文学的に確率は低くとも、まだ私の死は決定されてはいないということ。
 天恵のような直感がそれを私に教えた。
 そこで、私に一つの感情が戻った。
 その日の分が早々に売り切れた、絶望、恐怖、諦め。
 それらに押しのけられて表に出ることの無かった生への欲求。
 命への執着心が、その時になって燃え上がった。
 私は、私の手を捕らえる華奢な指に噛り付いていた。
 よほど動揺していたのか、押しても引いても動かなかった彼女の手が、私の手で引き寄せることが出来た上に、私が指に噛り付いた拍子にその拘束が緩んだ。
 私は遮二無二もがき、その拘束から逃れた。
 そして、下生えから顔を覗かせていた、大き目の石を両手で掴んで彼女と対峙した。
 たかが餌に逃げられ、その上空中から浴びせられたクスクス笑い。
 その時の彼女の形相、それは恐ろしいものだった。
 凍りついていた筈の私の心に刻み付けられた程の。
 一瞬とはいえ闇の領域が息を吹き返した程の。
 それは大きな怒りだった。
 そしてその怒りは、上位者への警戒を消し飛ばさせ、容赦なく、私に襲い掛かってきた。
 迎え撃とうと石を投げつけた私の事など一切かまわず、ただ私を押さえつけて拳を叩きつける、それだけの行動。
 あっという間に追い詰められ、首を掴まれ人形のように引き倒され、空いた手が拳を握り私に見せ付けるように高々と上げられ、振り下ろされる。
 それだけの行動までのあと数瞬を私は全身全霊であがいていた。
 防御などする気も無い彼女の顔へ手を伸ばし、一筋の引っかき傷でもつけてやろうとする。
 そんな私の顔を、彼女はふと見つめ、哀れむように微笑んだ。
 私は、これで終わりかと、こんな終わり方をするのかと、押さえつけられた喉から唸り声を上げながら、誰でも何でも良いから助けてくれと、家に帰りたいと心の中で泣き叫んでいた。
 所詮、応えがある筈も無かった。
 そして絶叫。
 しかし、その声の主は私ではなかった。
 己の無事に途惑う。
 なぜか感じる手先の重み。
 恐々と目を開くと、両手の先にある何かの塊。
 それは蠢いていて、白と黒の色を捻り合わせ、威嚇の声をあげていた。

「あらあら、次から次へと面白い事に。
 白と黒の蛇……護法童子ってやつかしらね?」

「蛇? 護法?」
 
「もしかすると、あなたの先祖に力のある神職でも居たのかしら?」
 
 告げられる言葉の意味は良く判らなかった。
 問われた言葉の答えも持っては居なかった。
 しかし、

「聞きなさい。
 それは間近でとはいえ、ルーミアに傷を入れた。
 それはあなたを守ろうとする力よ。

 だからもう少し、

 無様に足掻いて見せなさい」
 
 心が思うよりも先に体が動いていた。
 目の前の、何が起こったのかと、血の流れる右の眼をおさえ、へたりと座り込んでいる少女へ向かって。
 
 瞬間遅れて、残る彼女の左眼に、今何が起こったのかという理解の光が浮かんだ。
 
 だが、餌に傷つけられたという事を認められなかったのか、私の突き出した手が彼女へ届くまで、その身が動く事は無かった。
 
 どろりとした時間の中、私の突き出した手の先で、二匹の蛇が身を併せ、白と黒の模様を作り出す。
 
 それが彼女の右眼に触れる寸前、弾かれるよう反発力と共に火花が散った。
 火花は彼女の残る右目を灼いていた。
 痛みで我に返ったか、彼女は無造作に顔の前を腕で払い、私を弾き飛ばした。
 地に転がった私が追撃に備え、痛む身体を起こして身構えた先に見たのは、
、「痛いよ、痛いよ」と、血混じりの涙を流して泣く、つい今まで私を殺そうとしていたとは思えないような、女の子の走り去る姿だった。
 
「ルーミアには可哀想な事をしたかしら?
 何にせよ、あれが涙目ってやつね」

 振り返った私を、言葉とは裏腹に含み笑いを浮かべた美貌が覗き込んでいた。

「ああ、」

 私の中にあった熱が、一気に冷めていった。
 どうしようもない存在の差ゆえか、手に在った蛇たちも姿が消えていた。

「よく弁えたわ。 賢い子は好きよ」

 そんな私の様子に満足げに頷く美貌の女性。
 先の彼女よりも年は上に見えた。
 手元で畳んだ傘を弄ぶ様子は子供っぽかったが、眼に浮かぶ光は、私とは桁の違う時間を見つめてきたような知性と狂気がちらついていたように思えた。

「あなた、お名前は?」

「そといずみ・せき」

「私の名は、八雲 紫」

「やくも……ゆかり」

 呟く私を面白そうに眺め、彼女は私に一つ問い掛けをした。

「面白い物を見せてくれたお礼に、一つ願いを聞いてあげる。
 何がいい?」

「おうちに帰してくださいっ」

 即座に答えた私に、少し詰らなさそうな顔をした彼女だったが、「まあ、いいか」と呟いて、手に持つ傘をすいと私に差し向けた。
 落ち込むような感覚に驚く暇もなく、私はそこで、ブレーカーが落ちたように意識を失った。
 次に目覚めた時、私は祖父の家で眠っていた。
 あれは夢だったのかと、身体を動かそうとして痛みに呻き転げまわる羽目になった。
 その様子に、父と母、祖父が飛んできた。
 父には怒鳴られ、母には泣かれ。
 祖父にはじっと睨まれて、私がごめんなさいと言い疲れた頃、私が里山の入り口で倒れていたと教えられた。
 私は一体何があったのかと散々問い詰められたが、結局話すことは無かった。
 その時はまだ何も、自分ですらアレが現実だったとは信じられなかったから。
 しかし、怪我も治り、動き回れるようになって、再び里山の入り口に立ったとき、ふと感じた闇の匂いに、手が自然と震えだし、そこに蛇たちが浮かび上がるのを見て、私は全てを事実として飲み込んだ。
 私は、あのときの事を、そっと祖父だけに話した。
 そして、この土地、あの里山の奥には常世と幽世の扉が有るという、言い伝えがあるのだと聞いた。
 そこは、この世で忘れられた神様が還っていく場所なのだそうだ。
 あと、外泉の家はそんな神様を扉が開くまでの間、奉り慰撫する神官のような事をしていたらしい。
 私の手に現れた蛇たちは、居心地が良くて還り損ねた神様の成りの果てか、礼にでも残された眷属ではないかとの事だった。
 祖父が塩を盛り、酒をついで手を合わせると、白と黒の二匹の蛇は姿を現し、酒をちろちろと舐めるように飲みだした。
 どうやら、祖父には蛇たちが見えるようだった。
 私も手を合わせ、命の恩人? 達に感謝した。
 暫らくして満足したのか、蛇たちはまた姿を消した。
 
 それから私は、休みの度に祖父の家を訪れ、祖父に土蔵に残されていた古い書物などを読んで貰ったりしていた。
 数年して祖父が亡くなってからも、片付けついでに土蔵を漁り、隠されていたモノをうっかり見つけて取り憑かれたり、トラウマ発現でひっくり返ったりしつつ、何時の間にか、私は表に無いモノの世界に足を突っ込んでいた。
 
 そして今日も、私は力を求めたり、それらしい事件に首を突っ込んでいる。

 再びあの闇に、恐怖に飲まれない為に。
 
 再びあの人にまみえた時、「ツマラナイモノ」とみなされたい為。

 思えば……。

 あれが私の……。

 初めてで……。

 今も尾を引き続けている……。

「恋だったのかも知れない」


「八雲 紫」

 私はそっと呟いた。
 
by katuragi_k | 2008-03-09 19:00 | SSもどき

FATE以降のお話は完結とかしないんですね……。

ぐはあ、痛い……そうですね。
本当にそうですね。
まとめる所ですらないですね。
おんなじネタグルグル回ってるだけですね。
多分思いつきで流してるだけだと、駄目なんでしょうね。
前のときはなんか、無性に書かないとーとか思ってた気がします。
むやみに焦燥感が……。
今はなんか仕事からの逃避に書いてる感じですので、その場その場で切れちゃうんですね。
ああ、なんか平和が欲しい。


今日は、大分テンション低いです。

ああ、フォーアンサー発売日未定になったか……。
by katuragi_k | 2008-03-09 18:17 | 雑談