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妄想を書いて自己満足に浸る。

もしランサーの縛りが無かったら。

「ク……クックック」

笑う狂犬が得物を振るい、周囲の空を三度断つ。
紅い残洸が見る者の目に刻まれる。
悦びを隠しもせず、敵にじゃれ付く姿は戦の悲壮を微塵も感じさせない。
持てる全てを開放し、今在る総てを叩きつける。
得物に返る手応えは勇敵の証。
抑えられた屈辱はこの歓喜の瞬間の為にあった。

「……ッ!! おっと、いけねぇな」

思わずこみ上げた笑いの衝動に回避をとちり掛けた。
半瞬前に居た場所を大地ごと削り、通り過ぎていく豪撃。
飛び散る土砂すら致命の破壊。
間一髪ではその破壊の残滓に飛ばされ、じくりと体が軋みをあげる。
しかし受けた衝撃すら喜びの糧。
またも笑いがこみ上げる。
詰まる呼吸。 口の中ににじむ鉄の味。 高揚に水を差す、ぬるい感触。
への字にゆがんだ口元をぐっと腕で拭い去る。
ぐっと息を吸い腹にためる。
顔を上げると目前に強大な山。
ああも削ろうこうも抜こうさしあえてはここか。
攻め手が無限に思い浮かぶ。
自分の限界など瑣末な事柄。
今のこの瞬間に詰め込める事だけが総て。
後の事など知ったことか。
槍を手に立ち上がる。

山が動く。
暴威を避けろと直感が叫び、理性がその後を押す。
しかし闘争の衝動が踏みとどまらせ、戦いの経験が槍を手に、勝利への渇望が体を前に。
落ち迫る破壊を読み、受ける痛みの対価を吊り上げる。

―― 一閃

大地が揺れ、赤い花がぱっと散る。
しかし、どちらも倒れることなく再び離れる。

「ち、浅かったか。 存外痛みに無頓着ってわけじゃねぇのな」

計算違いにむくれる稚気。
再び振り上げる紅い牙。

「次ははずさねぇ」

凶悪に光る眼。
己を抑えるモノは何も無い。

今やるべき事は……この身に湧き上がるもの総てを。



「■■■■■■■」



この敵に……。



「だあああああああぁあ!!」



叩きつけるのみ!!


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あー 槍兄貴は良く動きます。
by katuragi_k | 2005-03-17 21:56 | SSもどき
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