人気ブログランキング | 話題のタグを見る

FAKE_TAKE2(3)

「ん?」

ここは何処だろう?
さっきの事を考えると別の世界?
それにしては何も無いが。
いや、星が見える。 大きな何かを感じる。
何だと言う事も認識できないが何かがある。
それにポツポツと見える光、近づいてくる。
いや、こちらが近づいている?
星の中の一つになんだか引かれている様な感じがするのは間違いない。
凄まじい加速がついている。

「あれは、星ではない」

なんだ? 誰かの意識を感じた。
お姉さん連中ではない、覚えの無い意識(声)。

「あれは扉だ。 恐らく今まさに開こうとしているのだろう。
 ちょうど良い、あそこに出るのが楽だろう」

話を聞かない問答無用さ加減。 そうか、さっきのあれのよこした杖とか言う奴だな!!

「ふむ、頭は悪くないようだ」

また、根性の曲がってそうなのを……。

「ふむ、考えている事は判らないでもない。
 今の主はお主ゆえ、その内馴染むであろうよ」

そう願いたいです。 っていうか、こいつも頭の中覗く口か……もう良いけどさ。

「主よ、一つ良いか?」

「なんだよもう」

「なにかが傍に来ている。 どうやら、あの扉はそれを呼ぶ為の物だったらしいな」

「なにいー!!」

ふと見ると、流星のような存在が段々とこちらの方に寄って来ている。
まさかと思うんだけど、ぶつかったらやばくない?

「ふ、あちらもこちらも危険に決まっている」

「おーいー!!」

視界が真っ白に塗りつぶされた。

――――――――――――――――――――――――――――――

何かが微かに聞こえる。

 「Anfang」

 「告げる」

何かしらの力ある言葉。

 「告げる。
  汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
  聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

吸い寄せられる。

 「誓いを此処に。
  我は常世総ての善と成る者、
  我は常世総ての悪を敷く者。
  汝三大の言霊を纏う七天、
  抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!!」

じゃ無くて、俺に引っかかってる奴が引っ張られてるんだー!!

どんがらがっしゃん……。

―――――――――――――――――――――――――――――

浮遊感。
そして唐突に重力が……。

――ぐえ。

何か踏んだ。
がしゃん。
瓦礫が振ってきた。
辺りを見回す。
元は落ち着いた感じの部屋だったんだろうなと思われる、良い趣味の……いや、いい趣味立ったであろう残骸が散乱している。

「ここは一体……」

――だだだだだだだだだだだだだだだだ がちゃがちゃがちゃ

なんか来た。

――えーーい!!

誰かの掛け声。

どがぁああ!!
目の前のドアが開いた……蝶番と違う方に。

「何これ……。
 ちょっとアンタ達!! 何でこんな事になってるのよ!!」

と、遠坂さんだ――!! えらい所に来てしまった。

「あっちゃ―――」

頭を抱える。

「なんだ、えらく素直じゃない。
 セイバーじゃないのは仕方ないけど、まあ良いわ。
 で、あんた何処の英霊よ。
 アーチャーって事は弓兵なんでしょうけど、なんでそんな普通の格好してるのよ」

おいおい、なんかとんでもなく変な勘違いされてませんか?

「あの、ちょっと待ってくれません」

「何よ?」

「退け」

「「ん?」」

「退けといっている」

ガラリと足元が崩れた。というか、下に居た人が目を覚ましたらしい。

「私がアーチャーだ。 貴様は何者だ?」

「きゃああ」

何かが降って来た。
俺の手の中に納まったが……体勢的に重さは下の人に行くわけだな。

「ぐえ」

「あーあ」

どうやら、ゼノビアさんは無事だったようで一安心。
だが、これから一体どうすれば良いのやら……特に前でにらんでいる遠坂さんとか遠坂さんとか遠坂さんとか……アーチャーとか。
by katuragi_k | 2004-12-08 20:56 | SSもどき
<< 7777人目 FAKE_TAKE2(2) >>