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ランサーお仕事シリーズ2(5)

「かずやさん、女の子相手にやり過ぎじゃないんですか?」

ゼノビアがランサーに抱き起こされているケリーを見つつ一哉に問う。
流石に少し咎めるような口調が感じられる。

「でもさ、なんて言うか……そのなんだ。
 有る程度本気でやら無いと恨まれそうだったし、女の子扱いって雰囲気じゃなかったし。
 実際あんなにサックリ決まったのはあちらの油断でさ、本気でやられてたら難儀な事になってたと思うよ」

苦笑気味に一哉がゼノビアに言い訳をする。

「一哉さんがそう言うなら……でも、一哉さんがあんな女の子に手を上げたり。
 そんな所で邪悪な笑いをしてる所は見たく無いです」

しみじみとゼノビアが呟き、一哉はぐっと凹んだのだった。



FAKE_OUT番外
ランサーお仕事シリーズ2(5)



「おまえなあ、いくらなんでも舐めすぎだろう」

「それは……つっ」

ランサーの言葉に反論しかけたケリーが痛みに顔をしかめる。

「ほれほれ、無理すんな。 これでも握ってろ」

「なに?」

「いいから」

「あ、」

ランサーが訝しげなケリーに小さな石を握らせる。 痛みのせいか強張り気味のケリーだったが、その石のお陰で表情が少し和らいだ。
だが握らされた物を確認したケリーはハッとした。

「何よこれ!! 
 いくらなんでもこんなに即効性のあるルーンなんて、父様もお爺様でも刻めないわ!!
 マクレミッツだって!!」

騒ぐケリーにランサーがガックリと肩を落とす。

「おいおい、いくら練達の術者でも俺と人を混ぜて考えるなよ。
 言っとくが俺の親父は神さんだぞ。
 いくら戦闘向けの英霊だからって魔術が使えない訳じゃないっての」

「へえ……そうなんだ」

感動の薄いけりーだった。

「……まあいい。 それはそうとして話を戻すぞ」

「ええ」

「まず、お前に相手を見定める余裕なんて有るのか?
 つまらん目潰しなんか喰らってあとは何も出来ずに終わりだ」

「……」

「あのガキの聖杯戦争中の戦い方を教えてやる。
 まず姿を見せない。 そして戦わない。 トコトン逃げる事を優先しやがる。
 そのくせこちらをじっと見るんだ。
 それで戦う羽目になったら、最初の一撃に最大火力を叩き込む。
 そのあとは一歩引いて観察しながら削る。
 無理だと判断したら全力で逃走する」

一息に話しきったランサーがふうと一息つく。

「俺もあいつを確認したのは半ば運だったからな。
  まあ、あんなに面倒な奴はそうは居ない」

「あいつ、アサシンか何かなの?」

「上手い事言うなあ。 そうだな、あいつ自身は魔力ももらさねえしな。
 逆に瘴気に馴染みやがる、この街みたいなとこでは気配を掴むのは難儀だな。
 あいつとやるときはもうなんか虫か何かだと思って見つけた瞬間べぢっと潰すのが最善だ」

「それは何かいやだわ」

「そうかもしれねえな」

「「はあ」」

溜息漏らす二人であった。

「……なんかえらい言われようだな」

そして漏れ聞こえる声に肩を落とす一哉だった。
by katuragi_k | 2004-12-03 21:41 | SSもどき
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